夕暮れフェルマータ

 人生のマジックアワーに振り返る好きな本とか自然とか…。

テンカラ釣り番外編「面白うて、やがて寂しきソロキャンプ」

沢屋から釣師へ。稜線、遠のけり(笑)

 首都圏に在住していた頃は、毎年、この時期になると、1泊2日のソロキャンプに出かけていました。エリアは主に上越方面で、テンカラ釣りを始めるまでは沢を源頭まで遡って帰ってくるパターンでしたが、釣竿を携えて出かけるようになってから、稜線は一気に遠ざかり、事実上、泊りがけの釣行になってしまいました。

 それでも、普段は日帰りで多摩川上流の小渓を釣り歩いている僕としては、一大イベントです。念入りに準備し、勇んで出かけていきます。

 いつもなら、釣れるのはヤマメ、多摩川源流では時々アマゴ、まれにイワナ、という感じですが、上越方面まで足を伸ばせば、対象魚は漏れなくイワナ。しかも、こちらの腕前は相変わらずのビギナーなのに、釣れる魚のサイズはほぼ5割増し、と言うことがありません。

 サイズもそうですが、数釣りという点でも、圧倒的なパフォーマンスを見せつけてくれます(もちろん、僕が、ではなく、渓が、です)。

 とは言っても、沢登りの方も「永遠のビギナー」を自認する僕ですから、難しい雪渓処理を要する渓や困難な滝の登攀を強いられるような渓には最初から行きません。それでも探せばあるものです。僕でも行けるいい感じの渓が。

 

ソロキャンプ、釣師の楽しみ

 特に、釣りに主眼を置くようになってからは、現地での行動の幅も広がりました。地形図を読んでは「釣れそうな支沢」を見つけるのも楽しみの一つ。これ、自慢ですが、けっこう当たりました!

 グループで遡行する皆さんはあまり寄り道しないので、けっこう穴場があるんです。

 但し、単独行なので、何かあったら自己責任。とは言っても、実際に「何か」あったら、責任の取りようもありません。結局、何も無いように慎重に行動するしかありません。幸運にも、これまでは何とかなってきましたけど、ホント、運が良かっただけ、という自覚だけは持ってます。

 テントは持っていきます。軽量タイプのツェルトですが。夕暮れ前には野営地に戻って、焚き火の準備。釣ったイワナを焼いて、優雅な夕餉です。満天の星空の下、沢のせせらぎを聞きながら、食すイワナの美味いことといったら…。

 やがて就寝。シュラフに入って、明日の釣行計画を頭に描きながら眠りにつきます。もう1泊しても大丈夫なように万事整えて来ましたから。

 

もう帰るん? もっとおればいいがね…

 ところが、翌日になると、帰りたくなるんですよね。いや、渓は最高なんです。何時までもいたいくらいなんです。…でも、なんか人恋しくなって、帰りたくなっちゃうんです。

 だいたいそうでした。ソロキャンプで2泊したことって、ほぼないです。いつも、翌日は、昼前まで、のんびり釣りをして、いそいそ帰り仕度をして山を下ります。帰りの道のりがこれまた味わい深いんです。一夜を包み込んでくれた、山に、森に、渓に、別れを告げながら下っていきます。やっぱり、自然の中に浸ると、日頃はとかくカサついている情緒が掻き立てられるのでしょうか。

 「面白うて、やがて寂しきソロキャンプ」

 でも、その寂しさも含めて、味わい深いのがソロキャンプ、なのかも知れません。

 

 それでは、今日はこの辺で擱筆致します。

 最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

 

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