夕暮れフェルマータ

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テンカラ釣り初心の記「あの夏は暑かった!」

アウトドアの夏、テンカラの夏

 このところアウトドア系の記事の投稿が続いていますが、子どもたちが夏休みということもあり、世間一般アウトドアシーズンだと思うので、良しとしましょう。

 さて、僕は、渓流釣り、しかも和式の毛鉤釣りであるテンカラ釣りしかやらない、というか、できないポンコツ釣師ですが、そんな僕でも、正真正銘初心者だった頃はあって、当時の入れ込みようは半端じゃありませんでした。竿の振りすぎで肩を痛めたり、慢性的に薄くなった手のひらが痒くてたまらなくなったり、と、まあ、いろいろありました。

 そこで、今日は僕がテンカラ釣りに目覚めたあの夏の思い出を書いてみたいと思います。もしかしたら、今シーズンからテンカラ釣りを始めた、という方もおられるかと思います。順調に釣果を得ておられるなら、上から目線で楽しんでいただけば良いですし、もし、期待した釣果が得られていない場合には、下には下がいるんだなあ、と元気になっていただければ、これに勝る喜びはありません。

 

雑誌「渓流」は神様でした

 僕がテンカラ釣りを知ったのは、当時、つり人社から発行されていた「渓流」という雑誌を通してでした。

 当時の僕は、独学で沢登りを始めて数年、実際に行ける谷は、遡行の難易度としては初級かせいぜい中級の下くらいだったものの、大渓流への憧れは強く、「渓流」に掲載された黒部川や東北地方の諸渓流に関する遡行記録に胸を踊らせていたのです。

 当時は、瀬畑雄三さん、吉川栄一さん、高桑信一さんなど、沢登り界のスターが目白押しの黄金時代。中でも、瀬畑さんはテンカラ釣りの名手として知られていました。また、フライフィッシングの第一人者である岩井渓一郎さんや佐藤成史さんなども折々に寄稿されていて、知識だけはじわじわと増えていったのです。

 

 

いよいよ、テンカラに手を染める

 そして、ある年の初夏。僕はついにテンカラ釣りのタックル一式を買い揃えました。元々、沢登り用のシューズは持っていましたし、源流を歩く、ということに関しては、さほどのストレスはありませんでしたが、最初のうちは本当にラインが飛びませんでした。

 公園で前方にバケツを置いて振り込みの練習をするのですが、なかなか狙い通りにいきません。当時は市販のテーパーライン(先に行くに従って徐々に細くなるよう糸を編んだライン。昔はこれが主流だった)を使っていたので、今から思えば易しいはずなのですが、まあセンスもなかったんでしょうね。実際には、勘のいい人なら、30分も振っていれば、コツを掴めると思います。今だから、言えますけど。

 それでも、なんとか毛鉤を投げられるようになったので、渓流釣りではよく知られた道志川に行ってみました。釣れません。フラットな流れが続き、ポイントすら分からない。3時間ほどで神経をすり減らし、すごすご退却です。

 

悲しみの釣り堀体験

 その後、近所のフライフィッシング専用の釣り堀で練習してみることにしました。テンカラ竿でもいいですか、と管理人のダンディなおじさんに尋ねると、僕の持参した仕掛けを確認してから、黙って頷いてくれました。

 今から思うと、奇妙な光景だったと思います。皆さん、スタイリッシュないでたちでカラフルなラインを自在に操っている中、へらへらとリールも何もないテンカラ竿をひたすら水面に向かって振り続ける男。しかも、釣り堀なのに、結局1尾も上げることなく敗退。いやあ、キツかったなあ。カップルで来てたふたりとか、笑ってたなあ。当然だよなあ。むしろ、あの場にいた皆さんは、例のカップルのおふたりも含め、場違いな男に対して紳士的だったと思います。

 

釣れない夏、まずは1匹

 それでも諦めずに、今度は奥多摩の日原川に行ってみました。でも、やっぱり釣れない。反応すらない。いつしか雨が振ってきて、さすがに気持ちが折れそうになりました。それでも、対岸の小さな窪みに毛鉤を落とすと、ピチャッと反応があり、反射的に竿を上げると、10cmにも満たない小ヤマメが飛んできました。まあ、嬉しかったですね。あの日、あの小ヤマメが釣れなかったら、もうやーめた、になっていた可能性すらありましたから。

 その後、発想の転換をして、沢登りに通っていた渓を釣り場にすることにしました。あまり険しいところは無理なので、ひとまず多摩川の支流である秋川上流の各沢で竿を出してみました。

 やっぱり釣れないのですが、反応だけはポツポツ見られるようになりました。そんなこんなで、最初のシーズンは終了。結局、その夏に釣れたヤマメは8尾のみ。しかも、最大で16cmという悲惨な結果に終わったのです。

 それでも、当時は少しずつ上達している気になっていたから不思議です。何事も気持ちが大事ってことですか。

 

オフシーズンの努力が来シーズンの明暗を分ける

 オフシーズンは秋川の中流に通い詰めで、オイカワとかハヤを釣りまくりました。まれに小ヤマメが釣れてきたりして…。

 そういえば一度だけ、尺近いニジマスが釣れたこともありました。その時は流れの真ん中に入り、ラインを張った状態で扇型に流していたのですが、いきなりすごい引きで、思わず膝をついてしまったほどでした。とにかく、こちらはオイカワやハヤを狙っているので、まさか放流魚とはいえ、ニジマスのような外道が釣れるなんて想定外でしたから(笑)

 まあ、でも、大型の魚の引きが半端じゃないことを経験できたのは良かったですね。それでも、結局、大物が掛かると、何度やっても焦ってしまってバラしてしまうことが多かったですけど…。

 というわけで、最初のオフシーズンの努力は、我ながら涙もんでした。お陰様で、翌シーズンはトータルで200尾近い釣果を上げることができました。もっとも、リリースサイズのチビヤマメも数に入れての計算ですが… (^_^;)

 

あなたはロードバイク派、ママチャリ派? 僕はママチャリ派

 テンカラ釣りも、本当に基本的なレベルのことなら、自転車と同じで、多少の遅速はあるにしても、誰でも一度身につけた技術はずっと忘れないと思います。

 問題はその後ですね。自転車の喩えで言えば、プロになるならないは別として、更に自分の技術に磨きをかけ、道具も揃え、仲間たちと切磋琢磨して行くか、ずっとママチャリで気楽に行くか、です。

 僕は明らかに後者ですが、その分、渓に入った時、魚釣り以外のさまざまな自然に目を向けるようにはなりました。このブログでも書いている、バードウォッチングや昆虫への興味もその1つです。

 まあ、こういうことはあらかじめ決めてしまう必要はなく、自然に足が向く方へ進んでいけば、それが文字通り自分に向いたスタイルなんだと思います。

 

 またまた、ずいぶんな長文になってしまいました。今日はこの辺で。

 最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

 

yuugurefermata.hateblo.jp

 

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