夕暮れフェルマータ

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オシドリの夏 / 揖斐川源流で出会ったオシドリたち

オシドリは冬鳥?

 オシドリというと、オスの複雑で美しい羽色や、仲の良い夫婦を例える「おしどり夫婦」という言葉で知られています。冬季には大きな公園の池などでも見かけるので、他の多くのカモ類同様、冬鳥と思われる方も少なくないかも知れません。

 しかし、オシドリは基本的には留鳥です(中には、さらに北方から冬鳥として日本に飛来するものもあるそうです)。それでは、冬季以外の時期にはどこで生活しているか、というと、山間の湖や渓流などになります。もちろん、繁殖も行います。

 僕自身も、幼少の頃、どこか街中の公園でオシドリを見た記憶があります。しかし、その後、ずっと会うことなく過ごし、ようやく再会できたのは、揖斐川上流にかかる橋上でした。時期は五月。オシドリについてはまともに考えたことがなかったのですが、無意識に冬鳥と思い込んでいたので、新緑の渓畔林を背景に、トラス橋の赤いトラス部に止まるオシドリを見つけた時は、新鮮な驚きを感じました。

 

源流で子育てするオシドリ夫婦

 その後、旧徳山地内で揖斐川に流れ込む漆谷という小渓流を釣り上がった時には、番のオシドリに会うことができました。但し、当時は釣りたい一心なので、正直、却ってイライラさせられました。というのも、釣り上がる先の淵でくつろぐオシドリ夫婦を、先へ先へと追い立てる形になるので、いいポイントごとに、オシドリたちが着水して、釣りにならないのです。

 四、五箇所ほどもポイントを潰して、ようやく彼らは翼を返し、僕の頭上を元いた淵の方に飛び去って行きました。闖入者は僕の方なのですから、イライラするのは大人げないこととは分かっているのですが、こればかりはどうも…。

 その後、さらに上流にある旧徳山村最奥の門入という集落のあたりで揖斐川西谷に合流する黒谷を釣り上がった時には、源流に造られた大堰堤上のプールで子育て中のオシドリたちも見ることができました。

 オシドリは、水辺に近い木の洞などに営巣するそうですが、折しも晴れ渡った青空を映し込んだ水面をくるくると泳ぎ回るオシドリ一家は、何ともメルヘンチックに見えました。

 

 それでは今日はこの辺で。ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

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