夕暮れフェルマータ

 人生のマジックアワーに振り返る好きな本とか自然とか…。

鳥たちの「バカンス」 日本は避暑地? 避寒地?

オオルリのホームグラウンドって?

 多くの鳥が季節によって移動することはよく知られていますし、「渡り鳥」という言葉も、ほとんど日常語に近いほど耳慣れたものになっています。「夏鳥」「冬鳥」という表現をお聞きになったことがある方も少なくないでしょう。

 我々は普段、夏には夏鳥、冬には冬鳥がやってくることを当たり前に思っていますが、考えてみると、これはかなり恵まれた環境とも言えますね。

 例えば、オオルリ。瑠璃色に輝く羽色と新緑の林に響き渡る美しい囀りで人気の高い夏鳥ですが、彼らは東南アジアなど南方の地域からはるばる海を越えてやってきます。我々のイメージでは、オオルリは新緑の落葉広葉樹の梢で澄んだ鳴き声を聞かせてくれる典雅な小鳥ですが、彼らのホームグラウンドはむしろ南方の熱帯雨林なのであって、若葉の季節の象徴とみるのは人間の勝手な思い込みとも言えます(もちろん、それで全然OKなのですが)。

 

鳥たちのバカンス&国内旅行

 ところで、渡り鳥以外の鳥たち、これを留鳥と言いますが、実は彼らの中にも、季節によって移動するものが少なくありません。例えば、モズ。童謡「小さい秋見つけた」にも歌われているように、モズは秋になると姿を現します。かと言って、渡り鳥ではありません。夏の間、彼らは山で過ごしています。秋になり、山が冷気で包まれるようになると、里に下りてくるわけです。

 シジュウカラなどのカラ類も同様です。但し、面白いことに、同じカラ類でも、人間に対して気を許す度合いには明確な違いがあります。一番、大胆なのはシジュウカラです。シジュウカラに比べると、コガラやヒガラはかなり臆病な感じです。

 冬季になると、シジュウカラは街中の神社や公園でもよく見かけますが、その他のカラ類には滅多に会うことはありません。しかし、彼らも里には下りてきていて、背後にすぐ山が控えているような土地柄であれば、よく観察することができます。

 こういうことは、本を読めばちゃんと書いてありますし、話として聞いても大して面白くもないのですが、実際に繰り返し観察する中で「発見」してみると、妙にワクワクするものです。もちろん、他の方に話して自慢するようなことではないので、究極の自己満足ではありますが…。

 同じようなシチュエーションで「発見」した鳥には、他に、ルリビタキ、クロジ、ウソ、カヤクグリなどがいます。ちなみに、こうした留鳥の中には、国内旅行で済ます「準渡り鳥」もいます。この用語はここだけの造語ですから、よそでは使わないでくださいね(笑)。

 鳥たちにはパスポートも必要ないですし、国内も海外もないわけで、彼らにとって総合的に最も快適に過ごせる生活を本能的に行っているだけなのですが、その多様性には改めて驚かされます。